Where are you going?
ニートからぷーたろーへとバージョンアップした近頃の私は、東京で労働を体験していました(その後、順調にダークサイド家なき子突入)。
ソワソワドキドキ2週間泊まり込みで店員さんやってみた感想は
「何にも破壊しなくてよかった〜!!」
そして
「泊まれる家があるって本当に便利だな!」
一度商品を丸ごとひっくり返しそうになるピンチはあったものの、気がつけば当初の予定を過ぎて最終日の打ち上げまでしっかり参加して、「私もカフェラテ飲みたい♡」とか「脚が痛いから湿布買ってきて欲しい♡」とかジワジワと図々しさも醸し出した労働期間。
腹筋がないから声を張るとひっくり返っちゃうし、第一声はタンが絡みがちで「いらっしゃいませ」がおっさんみたいにガラガラしちゃうんだけど、焦りすぎて「うーんどうかなぁ?了解でーす☆」とか言っても笑ってくれるお客さんは優しかった。
疲れて口が回らなくなって「よけれだばばばばばば(良ければお砂糖お使い下さい)」と言っても何となく伝わる感じ、人間言葉じゃなくて気合いだなと思う。
サーモンピンクの制服にも慣れてきた頃、ここが終わったらどこへ行こうかと本格的に考え始めた私。
「やっぱり関東に家があると便利だよなぁ、自分の家が欲しいな!」
ということで、ネットでお部屋探し開始。
安くて素敵なお部屋を見つけて内覧に不動産屋さんへ電話を掛けたり、東京は光熱費ってどのくらいかかるんだろう?と周りに聞いたりワクワク。
今のうちにお休みもらってお部屋決めようかな!とか話していたら、レジに立ってお客さんを呼び込んでいたピンチヒッター事務員さんが言った。
「部屋借りるなら、まず仕事探さないと貸してもらえないよ?」
そうか、私無職だった。
仕事がないと家が借りられないとは、ものすごく盲点だった。
そして、賃貸情報に載っている更新期間2年の文字。
2年って長くない??
家を借りる人は同じところに2年住んだりするんだよなぁ…ということをしみじみ思う。
職場や家庭の事情、お気に入りの街に住みたい!などなど今のところ動機が全部無い私。
何の縛りもないということは、選択肢が多すぎて何も決められないという状況に陥りがち。
それじゃあ、短期で住めるシェアハウス?
私が求めてるものってなんだろう??
① 眠るスペースがある
② 絵を描いたり作業ができる
③ 使いたい時にトイレとお風呂を使いたい(洗濯できたら素敵!)
④ 料理できたら嬉しい
⑤ 土に触れたい
これ、やろうと思えばテントでもできるなぁ。(お風呂と洗濯以外なんとかなる)
そもそも、私は本当に東京に住みたいんだろうか??
どうしたことだろう、直感と勢いで来たはずが心が鈍ってどこにも振れない。
街中の路地って、狭くて臭くて地面がベタベタしてるんだなぁ。
都会の喧騒に紛れ、私はすっかり迷子になってしまった。
何語か分からない言葉が飛び交うドミトリーのベッドに横たわって、延々と蚊に刺されながら開け放たれた窓から入り込む風が気持ちよくて、北海道はもう夏かなと思ったらふいに鼻の奥で懐かしいにおいがした。
どこへいこう?
今一番何がしたいだろう?
「Have a nice day!」
廊下で荷物をまとめていたとき、声をかけてくれた彼は振り向いたらもう階段を駆け下りて行くところ。
私は背中とお腹にリュックを背負って、もげそうな肩でなるべく背筋を伸ばして宿を出た。
今、思い浮かぶ顔に会いに行こう。
私を知る人と、今のグダグダな私にちゃんと会いに行こう。
明日はどっちだ??(こんにちは、ダサい私!)
久々ドキドキ、北海道へ帰った。
「ちょっと旭川行ってくるね!」
と言ったまま突然の3ヶ月放浪(なんなら自分も日帰りかと思ってた)だったので、お世話になっている実家の皆様はさぞザワついているだろうなぁと、正直あまり気乗りしない帰省。
ついでにデンジャラスデフォルトで飛行機が2時間飛ばず、帰らないでぇー!!と後ろ髪引かれてるような気分だった。
今まで何をしていたかと聞かれたら、神奈川で小学生と暮らしたり、家出したり、徹夜で音楽作ったり、イケてる廃材建築にペンキ塗ったり、新潟のスーパーおじいちゃんとベンツでドライブデート(ペアルック♡)、仙台で温泉旅行&イベントに棚ぼた招待してもらったり、東京でアートの展示に飛び込み参加させてもらったよ!
誰と一緒にいたの?と聞かれたら、最近は全世界出張型フォトグラファーと超絶怒涛の神さまペインターだよ!(CHAPAWONICA)
どうやって暮らしてたの??と問われれば「みなさまの優しさで生かされていました!!」という一文に全てが集約される。
そして何故そうなったのかと言われても、各地の素敵な方達から授かったミラクルだから全くもって説明できなさすぎる。
色々あった出来事を全てミックスした結果伝えられるのは
「いい感じに調子に乗らせてもらいました!!ありがとう!!!」
久しぶりの実家、意味不明っていいじゃない
北海道を飛び出す前の私は何をしていたかというと、学生のようなフリーターのようないつもどこか具合の悪いゆるっともやっとニートでした。
多少勉強したりバイトしたりしていたものの、モラトリアムに次ぐモラトリアムで主に引きこもって海外ドラマ三昧のふわふわふらふら。
長いこと「自分は周りに馴染めないし自信ないしちょっとでも傷ついたら死んでしまうガラスハートだから、この世に自分が生きられる場所は存在しないんだろうな…」と部屋の窓全開でアコギかき鳴らしながら遠い目をしていました(ご近所さんには本当悪かったと思ってる)。
そして相手とぶつかることを避けて避けて、伝えたいことはなるべく遠回しに、本人のいない場所であれこれ言い合うような家族関係。
気持ちを言葉に出来ず、敵の攻撃(他人の評価)からいかに身を守るかということばかり考える戦略会議の日々。
しかしこの放浪期間、様々な人達と出会い居候飯炊きババアして、気づいたこと。
「家族って、味方って、世界中にたくさんいていいんだなぁ(世界を戦場にするかホームにするかは自分次第)」
そして
「やっぱ、わたし絶対かわいいしセンスあるし天才だし最高だな…♡」
図々しさというのは、どんなに深刻に悩もうが過去のトラウマだろうが全てを凌駕する。
いざ、バッチコイ実家!!!
足を踏み入れた瞬間家の様が全く変わってなくてビビったものの、「いやだ」とか「そんなの知らん」とか「その点はごめん!」などなど好き勝手言いまくった結果、得たのは「わかるところはわかるし、わからないところは全然わからないな」という、当たり前だけど清々しいアンサーだった。
長年部屋の隅にコツコツ溜めてきたモヤッとボールを振りかぶったら、拍子抜けするくらい「全然理解し合えないね!」
父は、私がただふらふらしてるだけでこのままじゃ野垂れ死ぬだけ、一つの夢や目標に向かって努力して何かしらこの世に生きた証を残してほしいと思っている様子。
いつかの葬式で何も説明できない「あの人どこで何してたんだか全然分かんなかった」そんな娘の人生は嫌だ…。
「それって最高じゃん!!!」
父の言葉を聞いた私はかぶり気味に叫んでしまった。
何してたんだか全然わかんなくて、最低とか最高とか哀れだとか楽しそうだったとか、ざわわする感じ。
どこかで野垂れ死んでも、遺影を披露できるならバカバカしくなるくらい思いっきり不謹慎でシュールにキメたいし、もし生きてる人がクスッと笑ってくれたら私は嬉しいなと思う。
北海道滞在中、母は終始吹き出したり痛いとこ突かれた!こいつ勝手だな!という顔をしていたけれど、最後は「各々好きに生きていきましょう」と笑い合っていた。
夢も目標もありません
「何になりたいのか」
「何を目指しているのか」
主に職業について、夢とか目標というものを要所要所で聞かれてきたけれど、今までずっとまともに答えられなかった。
好きなこともやってみたいこともたくさんあるのに何でだろうなーと思っていたところ、突然頭に響いてきた言葉。
「自分を生き切りたい!!!」
今も昔も変わらず、私は自分自身の生命活動に注目していたいのだと思う。
どんな出来事に見舞われて、その時どんな反応をして、そういういちいちがビリビリ刺激的で愛おしい。
どんなことをしようがしまいが細かいこと気にする割に何だって良くて、不安定でファンシーでバカやってるただ自分の生きる姿に感激してしまう。
それ以外には、なんにもないや。
家族ってなんだろう??
居候生活を経て正式に実家ニート&問題背負いたガーリーを卒業して思ったのは、血の繋がりや過ごした時間に関係なく自然発生する「家族」ってあるなということ(それは固定じゃなくて流動的なのかもしれない)。
肉親だとお互いの人生に責任や所有感を持ってしまいがちだけど、「面倒を見合う」のではなく「大切な他人として頼りにし合う」ことができたら最高だな!って思う。
(現在、他力本願色んな人に頼りまくりすぎですが還元していきたい!みなさんありがとう!!)
私の中の家族って言葉を、もっと面白いものにしていきたいなーと思う。
いっぺん(2回くらい)、死んでこい
現在、再び関東へ飛んで1週間が経ったところ。
気持ち的には既に2ヶ月くらいの濃さで時が進んでるのだけど、そこで早速
「あれ、今の私ってすごくダサくない??」
という壁にドカーンと激突中。
便乗&棚ぼたで爆走した放浪を終えたところで、本当は皆様が優しすぎただけなのだけど「自分イケてる!生きていける!」とどこか勘違いしていた私…
ひとり立ちだー!!と張り切っていたはずが、気づけばまた棚ぼた便乗してるやん!!!という滞在現状。
そして突然のトラウマ噴出号泣、驚く年下男子に頭撫でられながら
「大丈夫って言ってるけど、全然何とかなってないですね。」
だっさーーーーー!!!!!
担架切ってハイテンションで北海道出てきたけど、私まだまだ死にきれてないじゃん…と凹む。
どうすんだ、私…!!!!
これまでの恒例パターンでは「こんなんじゃだめ」とか「傷つきすぎて死ぬんじゃないか」とか「1人で何でもできるもん!」と恐れやプライドで潰れがちだけど、もうそれは資源の無駄すぎる。
素っ裸でぶつかることでしか見えない世界があって、鎧着てじわじわ潰れるくらいなら、バッチコイ傷ついて傷つけてラブもヘイトも両方で、潔く何度でも死のう。
ダサいとこ晒して、生きよう。
今のところ肩書きとしては実家ニートから世界のプータローへとバージョンアップしたところで、明日から久しぶりにバイトさせてもらう(働く!!)のでドキドキしてる。
果たして、私は最後までやりきれるのか!?(基本周りが見えてないのでトンチンカン&色々壊しがち…)
テーマはバッチコイ、nextデンジャラスガールです。
(今のぐちゃぐちゃ具合が表せて嬉しい絵)
ありがとう放浪。
約3ヶ月に及ぶいきなり放浪&居候生活を終えて、北海道へ凱旋帰郷中(激しい雷雨で飛行機が安定の遅延♡)。
「私、行きます!!」
初めましての母娘にくっついて飛行機に押し乗ってから、無事たくさんの人の優しさに連れ回され生かされた意味不明な日々。
神奈川、千葉、静岡、東京、茨城、新潟、仙台と、全力で遊び倒して体感的には2、3年は生きたな…という感覚。
何もかもどうでもよくなるくらい素直に笑って泣いて、今回の放浪は20数年ぐちゃぐちゃに生き延びてきた自分の壮大なお葬式だったなぁと感じます。(そのうち詳しく書きたいなぁ)
ものすごいスピードで潔く死んで、今はその灰の中から生まれてきた自分がつやつやぷるぷるの赤ん坊みたいだな!めちゃくちゃかわいいな!と自画自賛しているところ。
本当、わたしってかわいいな。
ぶらりくり旅に立ち会ってくれたみなさま、寝床や食べ物など愛情注いでくれたみなさま、本当にありがとうございました♡♡
やりたいこと満載なので、再び関東へ飛ぶ予定です。
どこぞで出会った際にはどうぞよろしくお願いします♡♡
【アートイベント出品中】4/22~5/6 夜の浴場とヒタキバを巡る小さな冒険
相変わらず、各地で愛のままにワガママな居候やっている私。
現在は東京都根津駅近くの銭湯(↑before)でアート×謎解きの展示にお邪魔中…♡♡
名前は出ていませんが盆&煩な音楽たれ流してます。
(↓after)
女湯♡
男湯♡
人間風呂♡ ※イヤホンから盆&煩!
暇人×睡眠不足のハイテンションで突如盆踊り制作に目覚め、ワッショイ完成した煩曲「BON-CHAOCE」。
たまたま展示準備中だったMAYUCHAPAWONICA&カヤノヒデアキに聞かせたところ「に、人間の業を感じる…!!!」と、急遽人間風呂ゾーン出品へ。
仲間に入れてくれて、みなさんありがとう。
New born♡
天国あり地獄あり、神様や金の便器もお出迎えしてくれる盛り沢山な入浴できない銭湯です。
うかうか行くと心をグッサリ刺されるのでお気を付けて。(普段入れない裏側のヒタキバゾーンへも行けるよ!)
キレッキレな作品たちを見たあとは、番頭さんが淹れるあったかいお茶タイムもあります。
最近もやもやしている方、遊びに行ってみたらいいと思うよ!!
http://cirq-cirq-cirq.com/event/
日時 2017年4月22日~5月6日(※火曜定休)
時間 16時~21時(※最終入館20:30)
会場 → 元銭湯「宮の湯」 東京都文京区根津2-19-8 ※千代田線根津駅より徒歩1分
入館料 1,000円 (学生は300円) ☆現地の番台で購入できます
参加アーティスト
一ノ瀬健太/山田勇魚/宮川慶子/中垣拓磨/Sayuh/加々見太地/川村そら/三宅世梨菜/MAYUCHAPAWONICA/Chiaki/カヤノヒデアキ
※(こっそり)デンジャラスガールくり
家出卒業ーラムピリカ編終了ー
ピカピカに晴れた日の朝、ラムピリカのお家を出た。
これまで何度か家出を繰り返してきたけれど、今回はなんか違うな、ついに巣立ちのときと感じる。
(繰り返し言うけれど、2ヵ月前に転がり込んだだけの居候です)
旅立つ前日、いつの間にか増殖した荷物をどうまとめようか頭を抱えていたとき、千秋さんがアドバイスをくれた。
「地球上だから、どこへ行っても大丈夫だよ」
安心して冬のコートを脱ぎ捨て、流れ流れた現在は新潟でベンツのオープンカーに乗せてもらい風を感じている。
最初の家出はみー&すーと暮らし始めて2週間経った頃だった。
元々アクティブひきこもりの私、せっかくの湘南!江ノ島の海!でも家から一歩も出ずに布団も敷っぱなし、だらだらしまくるという活動を精力的に満喫していた(お風呂に入るのもめんどくさいミノムシ)。
そのとき子ども達はというと、漫画にゲームにYouTube、その合間につまむお菓子づくりという充実っぷり。
夜中に3人で相撲をとって「今日は運動したねぇ」と話しながら、あることに気づく。
この子達、ぐーたらスキルめちゃくちゃ高くね??
一応、小学生を預かっている身であるプロのぐーたらー、部屋の惨状に若干ビビる。
これは、誰かお家に遊びに来てくれたらみんなしゃっきりしていいんじゃないか…??
重い腰を上げ、数日ぶりに家を出て100均でお買い物。
「みんな、トランプ買ってきたよー!!」
新しい風を吹き込むべく、入院中の千秋さんにラムピリカイベントを提案する私。
しかしいかんせんズボラから始まった企画、神経衰弱やってるうちにあっという間に数日が過ぎる(すーちゃんの強さがハンパない)。
結局ぐだぐだのまま、子どもたちのやる気を削ぐわ、仕切り直す元気もないわで企画は頓挫し、完全に保護者失格気分。
大人って、これでいいのか…。
もやもやしたまま目覚めた朝、前日のお皿を洗いながら思った「なんかこの空間、感じ悪いなぁ」。
その時、カミナリが落ちた。
しゃっきりしたかったのは、私か!!!!
いつの間に、保護者なんておこがましいものに私はなってしまったのだろうか!
ダラダラしている場合ではない、私は彼女らとバッチコイやり合うために居るのではなかったのか?
今のふ抜けた私では、到底太刀打ちなんてできない!
そして突如閃いた。
「そうだ、家出しよう!!!」
大人が家出する(しかも自分ちじゃない)、なんておバカなんだろう!
ミノムシから脱皮した私は勇気100倍、心臓と胃がどきどきキリキリわくわく。
みー&すーを起こさないように荷物をまとめ、「ちょっと家出してきます♡ふたりとも超絶ラブ♡♡」と書き置きを残して、眩しい朝日の中、家を出た。
各地へ連絡を取ると、みんなの返答が拍子抜けというか、素敵すぎて笑う。
「死ぬほどくりちゃんの好きにしてください!!」
「とっても健康的ですね!」
「マジで!超いいね!!」
なんだろう、みんなに応援されるこの感じ。
こんなにハッピーな家出ってあるのか…??
夜、おばあちゃんと孫暮らし開始のみーちゃんから電話がかかってくる。
「まだ帰らないのね、おっけー!くぅちゃんおやすみ!」
なんでみんな、こんなに家出慣れしてるの…??
家出中の出来事としては、初対面のお家でお泊まりしたり、友達の作品撮影用の小物をつくったり、服作りを頼まれたりなどなどなど。
散歩中にふと思い出し、3年ぶりの友達に連絡を取る。
「今どこにいるの?」
「代々木公園!」
「まさか、ホームレス!!?」
とっても紛らわしいハッピー放浪野郎は訪れた先で「キラキラ生きて!」とご飯や交通費のでっかいプレゼント、優しさを授かりまくる。
神奈川、静岡、千葉、東京のみなさんありがとう!
色んなことが起きすぎて、昨日が1週間前くらいの感覚で完全に時空が歪んでいると思う。
そして相変わらず行く先々でどんどんものが壊れまくり(主に電気系統)+ガサツ不注意の破壊活動(ごめんなさい)。
小学校を卒業するみーちゃんの袴姿を拝むためにラムピリカへ戻った頃、ひと月入院していた千秋さんの退院が決まった。
「くぅちゃん、ママ、おかえりー!!」
朝はすーちゃんと一緒に学校へ登校(小学校とか100年ぶりくらい)、わたし自身はリアルタイムであまり通わなかったけれどなんだか良いなぁと思う。
「卒業式、一緒に参列したらいいよ」
晴れ着を纏った凛々しいみーちゃんを送り出した朝、何とも軽やかな千秋さんの言葉。
そして、千秋さんのお母様とお父様(初対面)と4人でみーちゃんの卒業式へ参列するという全くもって意味不明な展開。
「家族の契りを交わしたね…」と言ってくれるお母様。
一方、式の中で子どもたちが語る「人々を笑顔にしたい」「人々を幸せにしたい」という『人々』という単語にツボる千秋さん。
「人々って、か、か、神様みたい…!!!」
本当に、おバカで愛しすぎる。
すーちゃん談「うちには子どもしかいないと思うよ」。
確かにでこぼこめちゃくちゃで、自分含め大人な気がしない。
じゃあ、すーちゃんが思う大人ってどんな人?
「ブッダ!」
……ブッダ!!?
「悟り開いてる!でも悟り開いてるから大人ってわけでもないと思うけど。
親がいるうちはみんな誰かの子どもだから。お母さんにはババがいるからまだ子どもだよ!」
大人への道は、まだ遠そう。
では一番大人に近いババ(千秋さんのお母様)の場合はどうだろうかというと。
「近くの公民館で子どものインターネット依存の講演あるらしいよ~行ってみたら?」
iPadがお気に入りで手放さないみーちゃんとのバトル中、放たれた12歳の変化球に
「えっ!そうなの!行ってみようかしら!!」
見事怒りが吹き飛ぶババ。
どんだけ素直でチャーミングなんだ!!
この世にはこんなに、全力チャーミングでおバカで愛しい人達がたくさんいるんだなぁとラブな実感をする毎日。
逃げも弱気も不安も凌駕する、愛の眼差しと信頼感。
サンシャイン池崎になりたい!という一人の情熱を叶えるべく、寝る間も惜しんでネタを作り撮影隊を出動、「無駄」や「くだらなさ」に命を燃やせる友人が存在する喜び。
同じフィールドで遊べる相手を見つけて超絶、幸せを感じるわたし。
あまりの出来事の連続に思考は飛躍、人間に対する愛しさが爆発中。
次はどこへ流れるだろう?
分からなさすぎて、なまら面白い。
デストロイ!!~今、君に会いにゆく~
思いがけず始まった放浪の旅も一ヶ月、特に関東へ来てから不具合が続いている。
オーブンレンジの沈黙に始まり、プロジェクター、お風呂の電気、トイレ詰まりにしゃもじの失踪。
電車に乗ろうとすれば駅の券売機が詰まり、ラムピリカは強風で停電。
熱海へ行ったお隣さんは電車が止まり帰宅できず。
千秋さんの大切な傘をお母様に貸したところ、やっぱりというか盗まれる(予感はあった)。
次々と起こるシステムエラー、その中でもとびきりは、千秋さんが救急車に乗った日のこと。
「くりちゃん、今日は何か予定は入ってますか?」
北海道の病院で打撲の診断を受けるも、強打したお尻の痛みで歩くことも難しくなっていた千秋さん。
空港からそのまま熱海療養へ旅立ち3日目の朝、湘南の電話が鳴った。
「痛みが強くなってしまって、民間の搬送サービスで病院へ行こうと思います。動けないので、手続きなどお願いしたいのですが来ていただけますか…?」
「もちろんです!!!!」
前のめりに、寝起きの布団でわくわくと返事をした全く予定のない私。
不謹慎かもしれないけれど、頼って貰えた喜びで私の心は溢れる。
出会ってちょうど1週間。
共に行動する時間が短くてちょっと寂しかったところ。
着の身着のままレッツゴー!!
あまりの非日常にふわふわと浮き足立った気持ちで藤沢駅に到着すると、改札の前に人だかりができていた。
「何かあったんですか?」
近くにいたPOLICE制服に話しかけると、こんな返答が。
「送電線に火花が散っていると通報があって、今は点検中で電車が運休しています」
マジか。
駅員さんを捕まえるも、熱海行きはいつ来るか分からない、他の行き方を聞いても待つしかないと言われ、登場するのはスマートフォン。
教えてGoogle先生!
訊ねてみたところ、小田原までたどり着ければそこから新幹線に乗れる、と。
……新幹線!!!?
(乗りたい!!)
この間、ずっとメッセージをやり取りし見守っていた千秋さん。
「乗ってください!新幹線代はもちますので!!」
今、君に会いにゆく!!!!
小田原行きの臨時電車に押し乗り、初めて見る新幹線はめちゃんこ速かった。
しかし千秋さんから、迎えに来てくれた民間の搬送サービスでは地形的に危なく運べなかったこと、痛みがさらに激しくなったため救急車を呼びました、と連絡が入る。
火花!!この状況も火花!!!
「救急車で一緒に移動できたら心強いです」
この言葉に俄然やる気になり、ダッシュで熱海のお家へと向かう。
寝起きの電話から3時間、最寄りのバス停に到着すると赤いランプがクルクルしていた。
まだかなまだかなと待っていると、坂の向こうから丁重に運び出されてくる千秋さん。
痛みで目も開けられないところをぴょこぴょこ手を振りにっこり笑顔で迎える私。
やっと会えたね、お姫様!!!
そして、テキパキ働く救急隊員の方達に最敬礼。
助け出してくれて、本当にありがとうございます!!
今一度、「北海道のちょっとした公園にある氷の滑り台でおしり滑りをしたんですね?」と確認をされ、痛みと感激で呻きながら涙を流す怪我人の隣で、なるべく真面目な顔で頷いて近くの病院まで走り抜けた。
(朝そこら辺の服を引っ掴んで飛んできた私、自作の文字Tシャツにはでかでかと「デンジャラスガール」。少し気まずかった。)
検査の結果、仙骨が折れてるっぽい!これは相当痛い!ということでそのまましばし病院にお泊まりコース。
のちに仙腸関節を痛めているということが判明したのだけど、普段あんまり大きく動かしちゃいけない部位にも関わらず、北海道旅行の前から千秋さんはフィギュアスケートのポーズ(?)を真似したかったらしく無理に脚を開く練習を毎日していたとのこと。
「多分、ちょっと痛めてたところに強い衝撃が加わって大変なことになったのでは」と言う彼女。
この人、まじでやばいなと思う。
安心してぽろぽろする千秋さんの涙を拭いてから、たまたま救急車も入院も暗黒ブラックホール時代に経験済みだった私、揃えるものはバッチリ分かるよ!!
ということで、ひとりルンルンお買い物をしたりお世話役を堪能した。
(この先入院する人へのアドバイスは、なるべく可愛いお気に入りのグッズを買い揃えること!
普段から使っているものは避けた方が、退院後の自宅で消毒液臭さを思い出さずに済むと思われる。)
夕方、千秋さんのお母様が千葉からお見えになって、おいしいパンをいただきつつ3人でお話会をした。
今までどこか骨折したことある?なんて、夏はギプスにハエが寄ってきて大変だよってお話。
痛みがありつつもみんな笑顔で、お母様の運転でみーすーの待つ湘南へと向かう時には、すっかり私ってあなたの孫かも!という気持ちでいた。
家族って、他人ってなんだろうな。
そしてこの日、私は千秋さんの大切なネックレスを預かったままなくした。
毎日色んなところで色んなことが起きるのだなぁと、当たり前ながら改めて感じる。
図々しいほど他人事のように、人生って、人間の力ってすごいなぁと思う。
その後も、出会ったその日にお家に泊めてくれた友人が犯罪に巻き込まれたり(犯人には大声で最悪野郎と叫びたい。早く捕まれ!!)、千秋お母様とラムピリカで愛の怒り爆発!そして全力ハグ!だったり。
何故かお世話になっている人達からお小遣いやiPadをいただいたり。
出来事の振り幅が大きくて全然ついていけない。
大好き!!と何これ!!のオンパレード。
超絶マヌケな千秋さんも、ゲームとYouTubeに夢中なみー&すーも(一日中、3DSから「みさえ~」「こら!!しんのすけー!!」が聞こえてくる)、この人達は絶対大丈夫だなと感じる。
めちゃくちゃはちゃめちゃな事態を前にして、目に見えないけれど、全ての人は生きる力に溢れていると思った。
そんなものどこにも無い、自分には何の力もないと絶望する時もあるけれど。
いつでも何があっても、 地下に眠る源泉のように、 からだの奥底からそれは惜しみなく湧き出ているものなのだと思う。
みんな、ちょう生きてるなぁ!!!!
そして、お腹にすとんと落ちてきた
「もう、諦めよう」
という言葉。
何が正しいかなんて、間違ってるなんて、考えるだけ無駄だ。
人生って、やばい。
地球に飛び出して25年、ようやく腹を括った。
突っ走れ、デンジャラス!!
理不尽!!涙の遊園地
みー&すーと暮らし始めて2日目の夜。
「ここらへん案内してほしいなぁー」と言った私に、猫たちがピピッと反応した。
「何がしたい?近くだと江ノ島水族館かな」
「2回分の料金で年間パスポート買えるってボッタクリだからいや」
「あ、横浜に遊園地ある!」
そうだ、みんなでコスモワールド遊園地へ出かけよう!!
それまで畳に布団でだらだらしていた3匹の空気が一変、早起きのためにアラームを掛け夢の世界へ突撃。
午前中は漁港でイナダを買い、みーちゃんに教わりながら捌いた(自分用の柳と小出刃包丁を持ってる12歳)。
お昼は豪華なお刺身キムチ丼、生魚が食べられないすーちゃんには甘いスクランブルエッグ。
腹ごしらえも済んで、いざ遊園地へ出発!というとき、事件は起こる。
「てめぇふざけんじゃねぇよ!!!!」
「なんでいつもそうやって言うの!!バカバカとかさぁ、みーちゃんのせいで行く気なくす!!」
発端は、YouTubeに夢中で出かける準備が終わらなかったすーちゃん。
みーちゃんが再三声をかけるも上の空で、バスが出る時間を過ぎてもあれがないこれがないと家の中から出て来ず。
痺れを切らしたみーちゃん、全力走り込みパンチ。
「人のせいにしてんじゃねぇ!!」
鏡が割れる!と言いながらも取っ組み合いの大バトル。
私はおやまぁとソファーに腰を下ろし、白湯を飲みながら観戦(喫茶店してるからおしゃれな茶葉がたくさんだけど淹れ方が分からない)。
すーちゃんが「もーいい!!」と布団に隠れ、みーちゃんは部屋の隅で丸まって、両者大号泣。
「くぅちゃん楽しみにしてくれてたのに、こんなことになってごめんね」と大粒の涙を流すみーちゃん(感激!計画立ててくれてありがとう!)。
「ねぇ、すー行こうよ。殴ったのは悪かったよ」
「みーちゃんがお腹蹴ったからまた痛くなった!行けないのみーちゃんのせいだからね!!」
一時間経ってもすーちゃんの怒りは一向に収まらず、さすがにイラッとした私も布団を引っぺがし参戦。
「本当に痛いなら病院行くよ!!準備出来なかったの悪かったなでいいんじゃないの?それから殴らないでって怒りなよ!」
「うるさい!!黙れ!!病院とか余計なお世話なんだよ!!」
もう二度と楽しい気分になれない絶対行かない、とすーちゃん。
こんなやつと一緒に暮らせないとみーちゃん。
病院まだ開かないしなぁとソファーにごろんする私。
「…くぅちゃん、分数のかけ算ってどうやるんだっけ?」
テクニカル担当のみーちゃん、突如iPadで算数を始める。
「かけ算?ひっくり返してかけるのは割り算だったよね、隣同士かけるんだっけな?」
「くぅちゃん、答えマイナスになっちゃったよ!」
「まじで」
「ちょっとくぅちゃん、自分でやるわ」
「うん、すまん(隣同士で足すんだったっけ…?)」
「ねぇねぇ、遊園地行かないの??」
………!!!!?
布団の中から、ちりりんと鈴のような声が聞こえる。
「すー、まだ諦めてないよ」
!!!!!!!!
『じゃあ、行こうぜーーー!!!』
事態は突然動き出す。
今だ!それ行け遊園地!!
一瞬頭を掠めた病院は吹っ飛び、急いで準備して家を出た頃。
みんな笑顔で、仲良く手を繋いでいた。
じゃれあいながら、世の中の恐怖症をいくつ言えるかで盛り上がる。
「ピーナッツバター恐怖症!!」
「ねぇねぇくぅちゃん。さっきは強く言ってくれてありがとうね。 久しぶりにちゃんと怒れた」
電車の切符を買っている時、すーちゃんに袖を引かれて言われたこと。
そこ、ごめんねじゃないんだ!とか、色々すっ飛ばしてもう、私は完全に負けた。
全力の純粋な感情を目の当たりにして、張り倒されたあとの空は青いな、なんて清々しいんだろうな。
何事も無かったようにじゃれ合うみーとすーを見ていたら、本当は言葉に意味なんてないのかもしれないと思う。
知り合いとか友達にあんな風に怒るの初めて!と言われて、不思議な喜びが湧き上がってくる。
遊園地に着いてからも、あれ乗りたいこれやりたいとキレッキレのすーちゃんは、もう帰らなきゃだし自費でラスト行っといで!と言ってからの交渉術もすごかった。
(小銭増やしたくないから、あと2回でちょうど1000円なのよ。だから1000円分でいい?)
そして、結局帰りの電車でお腹が痛くなったすーちゃん。
「余計なお世話って言ったけど病院行けばよかった」
すごく痛いと言うので夜間の診療所を調べて連れて行くも、
「こんなに帰り遅くなるなら病院行かなきゃ良かったな」
とのこと。
なんて理不尽な!!!!!笑
夕飯はお腹が痛いすーちゃんリクエストで作ったうどん。
何かに夢中で動く気配のないみーちゃんに
「うどん、のびのびしちゃうよ!」
と言ったら
「のびのびって超いいね!めっちゃ楽しそう!」
(お腹が痛いすーちゃんを背負うみーちゃんの図)
出会って5日目のこと、私はあなた達の虜です。